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(31)十三夜

今日10月6日は十三夜。20倍ズームのデジカメで撮ってみた(時折、月の下を旅客機が飛んでいくが、それは上手く撮れなかった)。

現代では「月見」の風習はほとんどなくなったが、月には満ちては欠ける変化の風情(ふぜい)があり、古来より日本人には月を愛で思いにふけるという心情があった。例えば、新古今和歌集の「秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の 影のさやけさ」、禅語の「水急不月流(みずきゅうにしてつきをながさず、周りに流されず自分を持つ)」など。

(32)故宮博物院展

九州国立博物館で開催されている「台北國立故宮博物院特別展」を観に行った。博物館に至る「動く歩道」(空港にもある)に乗ると天井、壁面がLEDの虹色で変化する。わずか数分だが、異次元にいる感覚だ。

そのトンネルを抜けると九州国立博物館の大きな建物。山などの外景がガラスの壁面に映っている。

さて本題。台北の故宮博物院には過去2回行ったことがあり、「翠玉白菜」と「象牙套球」を記憶しているが、今回の目玉は東坡肉に似せた「肉形石」、入場して最初に展示してあった。その他で印象的だったのは、新の王莽が鋳造させた量器「銅嘉量」、汝窯「青磁楕円盤(無紋水仙盆)」、二重構造の瓶「描金遊漁転心瓶」、景徳鎮の「粉彩透彫雲龍文冠架」、端渓の「従星硯」、新石器時代の玉器「鷹文玉圭」、書聖・王羲之の最高傑作と言われる「定部蘭亭序巻」など。門外不出の「神品至宝」と銘打たれているだけに、いずれも見入ってしまう。

展覧会での自分の鑑賞方法はとりあえず順路に沿って眺め、再度最初に戻って、「ひとつだけ持って帰っていいと言われたら、どれにするか」と考えながら、印象に残った作品をゆっくりと見ること。今回も絞り切れなかったが、あえて言えば「青磁楕円盤」か。現代中国は政治的経済的には問題だらけだが、このような文化財は人類の宝である。

下の写真は「肉形石」(ネットから流用)。実寸の高さ6cm

(33)博多おくんち

櫛田神社の秋の例祭「博多おくんち」。秋の実りに感謝する祭りで、1200年ほど前から伝わる伝統行事だそうだ。

牛車に曳かれた御輿を先頭に、稚児行列などの御神幸パレードが神社を出発し、川端通り商店街、中洲、キャナルシティなどを巡り歩く(子どもたちは川端通り商店街まで)。立烏帽子や天冠をかぶった子どもたちが可愛い。あの黒牛はどこから連れてきたのだろう。

「博多おくんち」は華やかなドンタクや山笠のような人出はないが、心楽しませる秋の風物詩だ。

(34)消え入る博多の祭り

毎年11月の第一日曜日は、「博多の台所」柳橋連合市場で「博多うまかもん祭り」が開かれる。去年に続き、今年の20回目も行った。平常に比べ安価に魚が販売され、ふぐ汁(200円)とゴマサバ(100円)を立ち食いした。去年は生ビール、いか焼き、刺身も楽しんだが、今年は見当たらなかった。

会場に着くと、去年の雰囲気と少し様子が違う。駐車場を利用した舞踊や歌謡などを披露する舞台といか焼きや生ビールなどを売っていた露店などが見当たらず、活気がない。よく見ると、その場所には新しくマンションが建っていた。舞台会場は、去年の1/5程度の広さ。曇り空のせいか、人出も少なく感じた。

博多の祭りがまたひとつ、時代の流れとともに縮小し、消え入っていく。

(35)大相撲九州場所

大相撲九州場所は今日12日目が終わり、白鵬と鶴竜の両横綱が一敗を守った。二年前、九州場所が開催されている福岡国際センターで偶然に出番前の白鵬の写真を撮り、今回も思い立って出かけた。しかし、4時半過ぎても関取たちが姿を現さず、諦めて帰った。会場に入る場所が変わったのか。

チケット売り場を見ると、マス席でも最高46、800円(一人11、700円)するのに、逸ノ城や遠藤などの若手力士や福岡出身の大関・琴奨菊の人気のせいか、それより高い、たまり席は千秋楽まで完売だった。

会場に入る客は和服姿の女性、水商売らしき女性を連れた男性(後で店に同伴するのだろう)、外人客などが目についた。消費税10%引き上げが延期された日本経済だが、ここでは、そんな不景気感はどこ吹く風の人たちが集まる。

それにしても今の相撲は、上位がモンゴル人で占める”モンゴル相撲”。「日本人はハングリー精神をなくした」とこの世界でも言われそうだ。

(36)深まる秋

公園の紅葉が鮮やかな色に染まり、川面には渡り鳥がゆっくりと羽を休める。秋が深まっていく。来週は秋月に紅葉狩りに行く予定。

(37)日本シリーズ優勝祝賀パレード

福岡ソフトバンクホークスの日本シリーズ優勝祝賀パレードが、市のメインストリート・明治通りで行われた。発表によれば、35万人のファンが沿道2.5キロに押し寄せた。

秋晴れの下、上空には報道のヘリコプターが数機ゆっくりと旋回している。11時過ぎ、先導車がゆっくりと近づいてきた。しかし人混みで全体が見えない。ちゃんと映るかどうか気にしながら、左手首にカメラストラップを巻き付け、両手を上げて右手でシャッターを押す。そして、選手らを乗せた車は、あっという間に通過した。

孫オーナーも駆けつけていたが、盛者必衰の理もあるようにソフトバンクグループのこの絶頂の時代も、いずれ下降していくのだろうか。

中洲大橋横のビルのガラス窓に映った人々。

(38)紅葉と清流の秋月

朝倉市秋月は戦国時代の秋月氏の城跡があり、後に福岡藩主黒田長政の三男・黒田長興が5万石を分封され陣屋を置いた旧城下町。桜と紅葉の季節には多くの観光客を集める。特に郷土館バス停から黒門に至る通りはメインストリートで、土産物屋が軒を連ねる。なぜか中国語も聞こえてきた。

相場の格言に「人の行く裏に道あり花の山」という言葉があるが、国道322号線を隔てた反対側は観光客はほとんど足を向けない。時間があったので、葉室麟の「秋月記」を思い出しながら、その反対側をぶらぶらと歩いていくと、まだ緑が残っているモミジや清流があり、自然の美しさに一人感じ入った。

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(39)博多ポートタワー

これまで撮り貯めた写真を使い、「写真で見る福岡(仮題)」のサイトを作ろうかと思った。しかし、不足分の写真があったので博多埠頭のベイサイドプレイスに行った。その横には1960年代に建設され、遊園地や展望温泉などで賑わったという「博多パラダイス」の博多ポートタワー。地上70mからの周辺の展望は、123mの百道浜の福岡タワーに取って代わられ、現在は無料。鉄塔の赤い塗料が当時を偲ばせる。世代交代は世の常だ。

(40)2015年元旦は雪

2015年元旦は雪。しかし、昔のように積もることはない。昼には溶けてしまう。地球温暖化の影響なのか。屋根や道路、樹木ではなく、自転車も雪化粧。さて今年はどんな一年になるのだろうか。

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