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上海雑感(7) 万博レポート

banpaku

感動も新鮮な驚きもなく、雑踏の中で、ただ歩き疲れただけだった。
万博テーマ「BettertCity、BetterLife」は、どこに行けば実感できるのだろうか。

他の友人たちの話も含め、あまり期待していなかったが、

6月中旬、話のタネにと万博(世博会)を見に行ってきた。

今回はざっと見て、見足りなければ改めて一日券(160元)を買い、

今日と同様、曇りか小雨の日に行くことにした。

そして、とりあえず夜票(夜間チケット、17:00−24:00、90元)で入園した。

パビリオンの中に入ったのは、並ばなくていい数館だけ。

印象は、感動も新鮮な驚きもなく、ただ歩き疲れただけだった。

とにかく、人が多く、広すぎる。

 

先に3日連続で(3日券、400元)行ってきた中国人の知人によれば、

中国館に一番近い6号入口に6時半に並び、まずは、中国館の入場予約券を入手。

朝から夜まで、歩き回ったが、すべてのパビリオンは回り切れなかったそうだ。

黄浦江対岸の浦西地区(日本産業館や大阪府・市も出店するベストシティ実践区などがある)には、行っていない。

本人のお勧めは、ドイツ館、台湾館、ネパール館、イタリア館などだった、とのこと。

(248の国と地域が参加した)

 

まず、いきなりハプニング。

6号入口近くにあるチケット売り場に3時半に並んだ。

(当日券夜間チケット、17:00−24:00、90元、16時から売り出し開始)

すでに、数百人が列をなしていた。

自分の番になり、チケット入手。

そして、会場入り口に向かおうとしながら、手にしたチケットにふと目をやると、日付が前日分と記されていた。

スタッフに、その旨伝え、当日券と交換してもらい、事なきを得たが、10分近く待たされた。

たぶん、前日のキャンセルチケットが紛れ込んでいたのだろうが、

「このチケットは使えない、交換はできない」と一方的に拒否される可能性もあった。

ちなみに、17時から入園となっていたが、関係なく、16時半過ぎに入園できた。

(会場外にも移動トイレ)

 

6号入口から数百m歩くと、エレベーターがあり、その前で会場地図をくれた。

そして、手荷物検査。

ポケットに入れていた目薬をさすようにと言われた。

水なども、空港同様、持ち込めない。

自動改札口を抜けると、10人近くの警官が隊列を組んで整然と歩いていた。

(自動改札口を抜け、入園)

 

 

まずは、目の前にある中国館。

逆三角形の赤色の構造が異様に目を引く、会場最大のパビリオンだ。

(この中国館は、万博終了後も記念にそのまま残されるらしい)

すでに、予約券を手にした人たちが長蛇の列。

(中国館)

 

 

周辺をグルと回って、少し先の台湾館へ。

しかし、ここもすでに予約券を手にした人たちの長蛇の列。

掲示板には、毎日朝9時30分3000枚、18時1000枚の予約券が配布されると書いてあったが、

すでに18時の予約券を求めて、一時間以上も前から数百人が待っていたので、ここも外観のみ。

(台湾館)

 

すぐ近くにあるネパール館へ。

ここは予約券は必要なく、順番で入館できるが、列はかなりできていた。

地面には、食べ物の包装紙やごみが散乱していた。

館内の池にも同様のごみが浮いている。

仏教国なだけにお釈迦様などの仏像や関連した品々が展示してあった。

らせん式に上に登ると、眼下に入園客らや世博文化中心(SMAPのコンサートが予定されていた)が見える。

 

(ネパール館)
(世博文化中心)

 

インド館からサウジアラビア館へ。

ここも、日本館と同様、人気館。

(サウジアラビア館)
(「5−7時間待ち」という掲示がしてあった)

 

そのまま、歩くと、韓国館。

(壁面にハングル文字が描かれたしゃれたデザイン)

 

その先が紫の蚕を模した日本館。テーマは「心の和、技の和」

(一、二を争う人気館、常時3時間待ち)

 

地図を見ると、少し先に、イラン館と北朝鮮館。

意図があるのか、と勘繰るほど、会場の端っこに位置している。

北朝鮮館はすんなりと入れた。

何もない。

壁に写真といくつかのテレビモニター、それに記念切手や刺繍などの土産物を売るガラスケース、チマチョゴリの販売員。

各パビリオンを回った記念のスタンプを押すコーナーには人が並んでいた。

金親子の肖像画はなかった。

他のパビリオンが華やかなだけに、ここは、なんとなく違和感があった

(一説には、北朝鮮館の建設費は中国が出したと聞いたが、真偽はわからない)

(他のパビリオンと雰囲気が違う。質素)

 

さらに、ぶらぶらと歩き、何回かベンチで休憩を取りながら、時計をみると18時前。

(飲料水持ち込み禁止。ここの水は飲める)
(会場内を走る電気自動車)

 

 

無料バスでヨーロッパゾーンへ。

スペイン、スイス、イタリア、フランス、イギリス、ドイツ、ロシアなど、いずれも、大きく、きれいなデザイン。

しかし、どこも長蛇の列。

(ドイツ館)
(ポーランド館)
(フランス館)
(クロアチア館)
(ロシア館)

 

少し歩くと、ステージでアフリカの民族印象を着た人たちの歌と踊りを演じていた。

(こんなオープンステージがもっとあっていい)

 

複数の国が集まるアフリカ連合館へ。

人物像や民族の生活用品の展示と土産物が売ってあった。

(アフリカ連合館)

 

アフリカ連合館を出ると、19時から始まるのか、5〜6台のパレード用の飾り付けした車。

(パレードは見ずに帰った)

 

建設、運営費用などの総事業費は約286億元(約3,900億円)、

地下鉄や空港などのインフラ建設や都市整備などを含めると4千億元(約5兆5千億円)もの資金が投入された

今回の上海万博のテーマは「BetterCity 、BetterLife(「城市、让生活更美好」、よりよい都市、よりよい未来)」。

パビリオンの中にほとんど入っていないので、表面的な印象しかないが、

単に、中国の威信をかけた「お祭り」と割り切ればいいかも。

 

これから、雨が多くなり、暑くなる。

 すでに3回行き、日本館で5時間待ちしたという旅行会社に勤める知人の話によると、

「中国移動など協賛企業の窓口やコンビニでは当面のチケットは売り切れて買えない」とのこと。

(ちなみに、日本人観光客は少なく、事務局が期待した100万人は達さないだろうとも言っていた)

しかし、すでに数千万というチケットが売れており、

また、上海市民に無料で配布されたチケットを使う家族連れや夏休みの学生・生徒らで、

入園者は増える可能性は高い。

 

そういった混雑の中、次回も行く機会があるなら、もう少し、情報を手にして、

浦西地区、「少林寺武僧伝記」のイベント、そして台湾館などを見てみたい…。

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