• <5月23日(木)/2日目>

    (8:30東京スカイツリー→10:30上野界隈→12:30渋谷→13:00原宿→13:30明治神宮→17:00ホテル着)

    ●開業1周年を迎えた東京スカイツリー。1年間の集客638万人、東京都への経済効果1300億円

    3年8カ月の工事期間を経て、ちょうど1年前の2012年5月22日に開業した東京スカイツリー。武蔵の国にちなんだ高さ634mの世界一高い電波塔は、新しいシンボルタワーとして、今、東京観光一番の人気スポットだそうだ。たまたまホテルのテレビで見たニュースによると、開業1年間の集客数は638万人(毎日1万7千人以上が訪れた計算になる)、東京都への経済効果は1300億円だったとのこと。

    ホテルの人が「歩いても30分ほどで行けます」ということだったので、地下鉄に乗らず、歩いて行った。歩み進むにつれ、薄いグレイ(スカイツリーホワイト)の塔が少しずつ大きくなってくる。言問(こととい)橋を通り、隅田川を越えると、半蔵門線の押上(スカイツリー前)駅。東京スカイツリーは、そこに隣接する。

    朝9時前というのに、4階にあるチケット販売カウンター前はすでに長蛇の列。開業時は、数時間待ちも多かったと聞いた。個人客用のチケット(2000円)を購入し、分速600mのエレベーターで展望デッキ(350m)に上る。50秒で到着。その上の展望回廊(445m)に行くには、1000円が加算される。

    展望デッキのフロアは、江戸時代に鍬形惠斎によって描かれた江戸の町並みと眼下に広がる景色を重ね合わせた「江戸一目図屏風」、展望デッキから一望できる東京の景色を5.2型のモニターで解説する「東京時空ナビ」、真下に広がる迫力ある眺めと東京スカイツリーの鉄骨美を楽しめる耐熱強化ガラスでできた「ガラス床」、カフェがある。窓外の360度の眺望は、ビルや住宅が密集し、遠くまで広がる。

    東京スカイツリーに併設された大型商業施設「東京ソラマチ」は、ファッション、グルメ、雑貨など300店が集結している。観光客は、ここで買物や飲食をするため、来客増を期待していた地元周辺の店は逆に売り上げが減って嘆いている、とも聞いた。

    ●上野の西郷隆盛像を初めて見た。雑然としたアメ横は外国人観光客が多かった

    東京スカイツリーのある押上駅から、地下鉄浅草線、銀座線で上野へ向かう。ここは、昔、東京国立博物館の展示品目当てに何度か来たことがあったが(国宝の日本刀と油滴天目茶碗が印象的だった)、上野恩賜公園やアメ横をゆっくりと見ることはなかった。

    一番の目的は、東京国立博物館。しかし、今一つ興味を持てない展示だったので(名前も憶えていない)、入館をやめて公園をぶらりと歩く。パンダのいる動物園には全く興味がない(パンダは上海動物園で見た)。そこで、まだ直接見たことのない西郷隆盛像に向かう。途中、白人女性客を相手に、「占」の表示の横で年配の男性が何か漢字を書いていた。遠くの方から、心地よいリズミカルな音楽が聞こえてきた。近くに行くと、アンデスフォルクローレの音楽だ。そして、目的の西郷隆盛像。この青銅の像は、高村光雲作。なぜ、この地に建てられたのか。なぜ、愛犬を連れているのか。

    上野公園からアメ横に向かう跨線橋で、何人かのホームレスらしき人を見かけた。そのうちの一人の男性は、サングラスに白いあごひげをはやし、本を読みふけっている。昔は、エリートではなかったのかと思うほど、風貌や趣きに雰囲気がある。上野公園にホームレスが多いと耳にしていたが、彼らにもそれぞれの忘れがたい過去があるのだ。。

    上野恩賜公園からすぐ近くにある、安さと品揃えを誇るアメ横は、年末の活況がテレビでよく放映される。もともとは、戦後の闇市を起源とし、飴を扱う店が多かったこと、アメリカ兵士が本国の製品を売ることになったことが、その名前の由来らしい。通りは、海産物店、多国籍の飲食店、衣料品店などが所狭しと並ぶ。ガイドブックに記されているのだろう、外国人観光客も多く見られた。

    ●渋谷駅前スクランブル交差点や原宿竹下通りは、平日なのに相変わらずの混雑。広大で深い緑の明治神宮へ

    スクランブル交差点の雑踏を見ようと渋谷へ移動。忠犬ハチ公横のスモーキングエリアで一服。(都内各所にスモーキングエリアが設置されている。歩行喫煙は余り見かけない。日本人は真面目?)。スペイン坂方面に行こうかとも考えたが、時間を考え、明治通りを原宿方面に歩く。途中、携帯メールの打ち込みに夢中になっていた一人の少女を横から隠し撮り。表参道に着く。左手は原宿駅。そのまま少し進むと、竹下通り。平日なのに若い男女にあふれ、立錐の余地もないほどだ。

    竹下通りから神宮橋を渡り、明治神宮へ。明治神宮は、1920年に創建され、明治天皇と昭憲皇太后を祀(まつ)る。初詣は例年日本一の参拝者数を集めるという。総面積70万㎡という広大な境内の、鬱蒼とした樹林に囲まれた玉砂利の参道は長い。途中、参道の脇に寄贈されたさまざまな清酒の樽がたくさん並べられていたが、参道をはさんだ対面も同様に、何故かフランス・ブルゴーニュのワインの樽。かなり歩いて、菊の御紋がつけられた大鳥居をくぐると、やっと拝殿に着く。丸く、きれいに剪定された楠の巨木が印象的だ。しばらくして、神職と巫女に導かれて、ゆっくりと歩く二人の和装の男女が目に入った。神前結婚式だ。外国人観光客も盛んに写真を撮っていた。めったに見ることがないだけに、ラッキーな一シーンだった。ただ、明治神宮御苑の方には行かず(ガイドブックを持たなかったので、気が付かなかった)、花菖蒲は見損ねた。明治神宮は落ち着く。(2日目終了)

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