Shanghai diary
7 月

香港返還10周年

97年7月1日、香港が中国に返還されて10年。
この間の中国の経済発展は、目を見張るものがある。
テレビでは、胡錦涛首席が参加した記念祝典の報道番組を放送していた。
返還前、中国が香港に政治的圧力をかけることを恐れ、一部の金持ちは外国に脱出した。
しかし、特別行政区となった香港は「50年不変」の約束通り、返還前と同じく自由を謳歌している、かに見える。

これは、いずれ来るだろう台湾併合を考えて、台湾の人たちを安心させる意図があるのではないか。
中国のメディアは台湾のことを台湾地区と表示しなければならない。
すでに台湾出身者は30万を超えたとも言われている。
見方によっては人質だ。
テレビでは、台湾のニュースが毎日流れている。
台湾の陳水篇政府が、国連加盟を申し入れ、門前祓いを食った。
中台関係は過去の歴史を背景にしたナイーブな問題だが、
北京オリンピックと上海万博が終わった後、武力攻撃でない方法で、その日が来るのだろうか。

「日本以外沈没」

小松左京の「日本沈没」を筒井康孝がパロディ化した映画。
期待していなかったが、久しぶりに笑った。

地下マントルの作用で、まずアメリカ大陸が沈没し、ユーラシア大陸が沈没し、
その後、日本列島以外の陸地がすべて海の中に消えた。
全世界から、難民が日本に殺到。
アメリカのオスカー俳優が失業し、サンドイッチマンになったり、
400人乗りの旅客機に2000人が乗り墜落したり、
チェーンの英会話学校が倒産したり、
中国や朝鮮半島への日本の侵略の歴史が過去のものになったり…。
外国の元トップたちは日本の首相に媚を売り、
最後には金正一まで登場する。

筒井康孝のショートショートは過去読んだことがあるが、
現在の気分転換には持って来いの作品なのかもしれない。

髪形設計師

家の近くの床屋へ行った。
初めての店だ。
前回の店と同様、洗髪→カット→洗髪→調髪の手順だったが、 今回はカット前にマッサージもあった。
帰りにもらった名刺には、 ○○髪型設計(hair style design)、髪形設計師(stylist)と書かれていた。
明らかに、中国人なのに若いスタッフ名も英語名。
料金は30元がなぜか25元だった(高級設計師は80元)。
街中の床屋は「理髪店」「美容院」「美容庁」「美容美髪」など、 その呼び方もいろいろあるようだが、何が違うのか。
意識して街を歩いていると、その数も結構目に入ってくる。
技術力、サービス、料金、店の雰囲気…。
この世界でも、いまや過当競争だ。
それだけ、中国の人たちの身だしなみに対する志向が
いろいろな影響を受けて高くなってきたといえるのだろう。

銅川市場と真如寺

庶民の暮らしを知るために、市場(いちば)を見て歩くのは面白い。

今日、出かけたのは銅川市場。
水産物の専門市場だ
地下鉄曹楊路駅で降り、15分ほど歩いた。
曹楊路(大渡河路)×銅川路。
200mほどの道路の両脇に、何十軒も卸売りの店が続いている。
伊勢エビ、蟹、シャコ、太刀魚など、一般的な水産物だけでなく
グロテスクで見たこともないような貝や大きなミミズみたいなものも目に入った。
ふかひれなどの乾物も売っていた
ここで食材を買い、近くのレストランで調理してもらうこともできるらしい。
市の中心部から離れていることもあって、
観光客らしき姿は、欧米人の女性二人以外見かけなかった。
浦東に移る話もあるようだが、どうなのか。





この銅川市場から道を隔てて、寺院の塔が見えた。
真如寺と書いてある。
5元を払って中に入ると、大きな線香を焚いて願い事をしている人がいた。
対称形の建物の中には、
「薬師如来」「大智文殊」「大行普賢」「釈迦如来」などの仏像が置かれた棟がある。
ここは、市内の静安寺や玉仏寺などの有名な寺院と違い、緑が多くて落ち着く。
奥まったところに、10層(?)の塔。
上まで登ることができるらしいが、大変そうでやめた。
この寺院は、1959年に上海市の文化保護財に指定されている。



雇用制度が変わる

今中国では、いろんな面で法整備が進んでいる。

その一例として、来年から労働契約法が被雇用者に有利な内容に変わる。
中国では日本の慣行と違い、
優秀な社員は契約更新するが、そうでなければ契約更新しない、という
1年契約の有期雇用が基本だったが、
例えば、今後は二年連続して雇用を更新した場合、
雇用者の都合で簡単に解雇できなくなった。。

中国の場合、企業が社員を育てるような日本の文化とは異なり、
即戦力を求めるため、新卒者の就職状況は厳しい。
また働いている側も昇給など労働条件が改善されななければ転職する。
基本的には人材は流動的だし、経営者と雇用者の関係はドライな印象を受ける。

今回の労働法改正で、
日本など外資系企業も対応策を迫られるだろう。

新「労働契約法」、08年1月1日から施行

労働者の権利保護を強化した新「労働契約法」が成立し、08年 1月1日から施行される。新法では、労使間で終身雇用契約を結ぶ よう求め、労働者が期限付きの雇用契約を結んでいなければ、終 身雇用契約を結んだか否かに関わらず、企業側は終身雇用契約を 結ばなければならない。さらに、期限付きの雇用契約を2回連続 して結んだ場合には、終身雇用契約に切り替えなければならない と明記。これにより、短期の雇用契約を効果的に抑制し、労働者 の安定した雇用を確保するという。 また、これまでは「試用期間」というと、労働力を無料で提供 させる代名詞のようなものだったが、今後は同一の雇用主が同一 の労働者と結べる試用契約は1回限りと規定。試用期間の賃金につ いても、職場の最低ランクの賃金あるいは雇用契約で約束した賃 金の80%より低くてはならないとした。 さらに、労働者の利益に直接関わる規定や重大事項を決定する 際には、労働組合や労働者の代表との協議が必要となる。このた め、企業にとっても組合の設立は不可欠なものになる。

1元ショップ

江寧路を歩いていたら、
「すべて1元」と書かれた紙が目に入ったので、覗いてみた。
6坪ほどの広さに、髪留め、爪切り、糸、鉛筆など数10種類の雑貨が並んでいる。
中央の床には、食器が積まれていた。
興味深かったのは、「Penesamic」と表示された単3電池4個。
明らかに「Panasonic」のコピー商品だろう。
日本の100円ショップはお値打ち品も多いが、やはり1元ではガラクタに近い。

扇子、小さいホッチギス、セロテープを買って、店を出た。
帰宅して、ホッチキスの針が入っている箱を開けると、10個のはずが1個しかなく、
しかも、詰まって結局使えなかった。
1日どれだけの利益があるか分からないが、上海人の商売は何でもアリだ。

健康診断

ビザ取得のため、上海国際旅行衛生保険センター(上海市出入境検験検疫局)に
健康診断を受けに行った。
予約していた午前10時半前に着き、受付で問診表をもらい記入。
先に15人ほどいたので、順番で30分待って、診断開始。
内容は、身長・体重測定→採血→レントゲン→心電図→腹部エコー→血圧→視力検査。
30分ほどで診断終了。
費用702元+結果郵送料30元。
中国の病院はもう少し遅れているかと思っていたが、日本と変わらなかった。

輸出税還付

先日、上海で自動車部品の輸出を手掛ける知人が
「輸出税の還付率が8%に下がって、ますます商売がやりにくくなった」と嘆いていた。

これは、中国政府が関税率表に記載された全品目の37%に相当する2831品目について、
7月1日から輸出税の還付率を引き下げまたは税還付を廃止すると発表したことによるものだが、
その背景には、貿易黒字の急速な拡大に対する輸出抑制策がある。

今後、この輸出抑制策に元高や人件費コストの上昇傾向も加わり、輸出価格が上がるようになっても、
当面、中国製品は日本や他の国の製品より安い状況が続くと予想される。
しかし、この輸出税還付率引き下げの問題ひとつ取ってみても、
「中国は世界の工場」、「中国製品は安い」という状況は少しずつ変わりつつある、という印象を受ける。

サイゼリア

五角場の上海第一食品というショッピングモールにある、
イタリア料理チェーンのサイゼリア(中国名、薩莉亜)に行った。
土曜日の11時半とはいうものの、300席ほどある店内は、すでに満席ウエイティング状態。
ボンゴレスパゲティ(9元)とツナサラダ(8元)を頼んだ。
中国と言っても安すぎる。
メニュー構成も日本のサイゼリアとほとんど同じ。
しかも、中国では目新しいPOSでオーダーを取っている。
飲食業の基本である、Quality(味)、Service(サービス)、Cleanliness(清潔感)、Atmosphere(雰囲気)も悪くない。

70年代から日本の外食産業は、可処分所得の増大やモータリゼーションの発達などで、急速に発展した。
一方、中国の外食産業市場は3年後に32兆円になるという予測もある。
既存のファーストフードに加え、サイゼリアのような外資系のチェーンレストランが拡大していけば、
かつての日本と同じように、
中国の人たちも食の欧米化が進み、「ナイフとフォークの食文化」が浸透していくに違いない。

ビールの味

10元ショップ

同じ五角場の巴黍春天内に10元ショップがあった。
商品構成やラベルがすべて日本語であることを考えると、
日本の100円ショップ用に作らせた商品が、そのまま上海で販売されているのだろう。
先日の1元ショップがガラクタであれば、ここの商品は一応使用に耐える。

布市場(南外灘軽紡面料市場)

五角城からバスに乗り、南京路を過ぎて、董家渡路で降りる。
途中、協会があった。その前にバスが停まり、若い男性の遺影を抱いた人たちが集まっていた。
外国人観光客が歩きそうもない路地をそのまま進み、左に曲がり、しばらく歩くと
「南外灘軽紡面料市場」 と書かれた3階建てのビルが目に入った。
欧米系の観光客も目立つ。
入口前の路地ではアクセサリーを並べて売っている。
中に入ってみた。紳士服、婦人服、子供服、チャイナドレス…、いろいろな衣料を売っている。
仕立てもできるらしく、外国人男性がスーツの生地を物色していた。
機会があればまた来ようと思う。
帰りしな、バッグ、時計、アクセサリーなどを売る店が出口横にあったので覗いてみた。
男性たちが声をかけてくる。
財布や時計を買う気がないと分かると、
京劇の面が裏表に10枚描かれている高さ30センチほどの屏風を出してきた。
きれいだったので土産だと思い、280元を100元に値切って買った。

「夜。上海」

上海を舞台に、日本のカリスマヘヤーデザイナー(元木雅弘)とタクシードライバー(趙薇)の出会いを通し、それぞれの恋愛を描いた映画。日本では9月公開予定。

もうひとつの「夜。上海」

知人がぼやいていた。
先日、古北にある日本人向けのクラブに行ったとき、席に着いた女の子に携帯電話の番号を教えた。
すると早速、「今度、いつ来ますか?」というショートメール。
その後、電話やメールが頻繁にある。
最初は相手にしていたが、最近は無視しているとのこと。
本人は接待先に案内してもらったため、自分一人で行くほどの興味はない。
彼の話によると、料金システムはセット料金+チップで、その時のチップは300元だったらしい。
女の子は、その1割を店に払い、残りが自分の取り分になる。
もし、客がつかないと、その日は無給になる。
だから、しつこく誘ってくるのだろう、とも言っていた。
20過ぎの学歴のない若い女性の給料は、せいぜい1000から1500元くらいか。
それを考えると、一晩で数百元稼げる水商売は魅力的だろう。

すけべ心を出して、簡単に携帯の番号を教えるのは考え物だ。
ちなみに、その店の近くには、以前、自衛隊員がはまり、機密事項をもらしたと言われているクラブがあるという。

けんか

前日は夜遅くまでDVDを見ていて、寝たのが1時半ころ。

外で言い争いをしているのが聞こえてきて、
眠気まなこで12階の窓から下の路上を見下ろすと、朝食を売っている屋台がまず目に入った。
その場の数人の人間がある方向を眺めている。
少し離れたところにいた、水色の保安の服を着た男性も同じ様子だ。
その時、男性の声が再びしたので、そちらの方に目を移すと50mほど右手のところで、
二人の若い男が相手の服をつかみ合っている。
突然、一方が相手をなぐり始めた。
片方は、抵抗せず、やられるままに任せている。
女性が目に入った。
なにやら、少し離れたところで「没有!(メイヨウ)、没有!(メイヨウ)」と叫んでいる。
三角関係のもつれか。
自転車に乗ってすぐ横を通る人もいたが、害が及ぶのを恐れてか誰も止めようとしない。
時計を見ると朝6時前。
せっかくの休みだから、ゆっくり寝させてくれと思い、結末を見ずにベッドに戻った。

そういえば、口喧嘩は時々みかける。
スーパーでの客と店員、交差点でのドライバーと自転車の女性…。
周囲のことなど意に介さず、大きな声で怒鳴りあっている。
中国は、日本以上に自己主張しないと生きていけないのか。

skype詐欺

無料で国際電話もできるskypeのチャットに、
「skype会員の方を無作為に抽選したところ、あなたにソニーのノート型パソコンと現金28,000元が当たりました」と中国語で書かれた
チャットが届いた。
記載されたURLを開き、自分のskype名と指定パスワードを入力しクリックすると、
「おめでとうございます。正式にあなたの当選が確認されました」と書かれた画面。
さらに続けると、中国政府が認めた公証人の証明書、本人の顔写真と経歴、さらにはパソコンを手にして喜ぶ人たちの写真…。
その時、「ついては事務手続き等の経費として先に840 元、指定の銀行に振り込んでください」という文字が目に入った。
「振り込め詐欺」が中国にもあるのか、それにしても巧妙な手口だ、と思いながら次のページを開くと、
28,000元を振り込むための個人情報の欄。
このような類のメールは見たことは何度もあるが、skypeのチャットにそれらしく書いてあったので、もしかしてという気持ちも一瞬横切った。
しかし、やはり糠喜びだろう、と思いながら中国人の友人にその旨メールすると、
折り返し「 間違いなく詐欺です。中国ではこのような詐欺が非常に多いので、気をつけてください」との返答だった。

http://www.skype.bj.cn/index2.htm
http://www.skype.bj.cn/gz1.htm
http://www.skype.bj.cn/tx.htm

たばこの値段

中国生活をする日本人に好まれるたばこの一つに「中南海」というブランドがある。
日本では、今300円か。
こちらでは、5mgが10元、8mgが6.5−7元、10mgが4−4.5元となぜか値段が違う。

中国の喫煙人口は3億5千万人とされている。
推計によると、受動喫煙の被害者は5億4千万人になり、それが原因で死亡する人は毎年10万人を超えることになるという。
中国では、タバコは人と人の関係を円滑にするコミュニケーションアイテムらしい。
食事の席などで、自分が吸う前に相手に勧める習慣がある。
贈答品として知られる「中華」というブランドは、日本円で1箱2,200円もする。

タバコ広告が全面禁止!中国でも禁煙活動が本格化
2007年8月27日、広州市で、中国タバコ規制協会の許桂華(シュー・グイホア)会長は、中国国内におけるタバコ広告・販売促進活動を2011年7月1日より全面的に禁止することを明らかにした。この規制はWTOの「タバコ規制枠組条約」の発効に伴う措置となる。 許会長は中国の禁煙への取り組みについて、公共の場所での禁煙が法律に明記されていないなど、対策が十分でないとの考えを示し、今後は法律の整備や取り締まりの管轄機関を決定するなどの調整が必要だと指摘した。 中国といえば、「喫煙大国」と言われるほど喫煙率の高さで有名だ。さらに、歩きタバコや公共の場所での喫煙など、マナー面でも多くの問題を抱えていると言われる。

訃報

学生時代に読んだ「なんでも見てやろう」、そして、「ベトナムに平和を!市民連合」(ベ平連)などの社会活動などで知られる
作家の小田実さんと、数多くのトップ歌手を育てた作詞家、作家のの阿久悠さんが亡くなった。
享年は75歳と70歳。
歴史に名を残す人間は、そう多くない。
人は、どれだけ周囲の人間に影響を与えたかが人物評価につながる。
金、健康、人間関係や家族のしがらみ、仕事…。
いろいろな身のまわりの出来事に、振り回されながら一生を終えるのが、
大半の人間の人生だ。

もっと大きな視野で、今の上海生活を見直さなければいけない。

カメラが壊れた?

原因はわからないが、カメラのシャッターを押すと、露出が強いのか、全体的に白っぽい画像になってしまった。
これでは、せっかくの上海生活が記録に残せない。
写真に残し、後で整理すればいいと考えていたが、異国の地でのカメラは自分にとって必需品だ。
HP更新にも支障が出る。

パソコンが壊れたら、さらに世界が狭くなる。

日本産米、超高値でも売れ行き好調

先日、静安寺の久光百貨店地下食品売り場を覗いていたら、
「コ シヒカリ」「ひとめぼれ」と日本語表示された米が目に入った。
価格は2キロパックで新潟県産コシヒカリが198元、宮城県 産ひとめぼれが188元と結構高い。( x 16円)
中国人と同じ1元から2元の「一椀米飯」を日頃食べている者として、そう思う。

日本料理店以外であまり日本の米を口にすることのない我々日本 人にとって、
このような高級米でなくても、日本の米が少しずつ でも中国で普及してくれればいいと思うが無理だろう。
そうなれば、中国での食生活は、もう少し豊かになるのだろうが…。

日本産米 中国で販売開始 世界最大のコメ消費国に期待

世界最大のコメ消費国・中国の北京と上海で26日、日本産米の販売が始まった。価格は中国産米の20倍以上と超高値だが、中国でも食品安全性への不安が高まる中、富裕層を中心に「おいしく」「安全・安心」な日本のコメは受け入れられるはずだと日本側は期待している。
 上海の繁華街・南京西路にある高級デパート「久光百貨店」。地下食品売り場には日本産米の特設コーナーが設置され、上海市民らが試食のご飯をおいしそうに食べていた。2キロパックで販売された新潟県産コシヒカリは198元(約3150円)、宮城県産ひとめぼれは188元(約2990円)。上海の一般家庭で購入される1キロ5元(約80円)前後のコメに比べて高級品だ。
 コメは日系スーパーを中心に北京2店舗、上海2店舗で販売される。主に贈答用としての購入が予想される。
 日本側は今回輸出した計24トンの販売状況を見ながら次回の輸出時期を検討する。関係者は「中国市場を開拓し、年内に200〜300トンを輸出したい」と意気込みを語った。
 コメの対中輸出は、自殺した松岡利勝・前農相の肝いりで進められた。農水省は計約5000万円の広告費をかけて、北京と上海で販売キャンペーンを展開した。  

中国の「食の安全」が破綻(はたん)している

産経新聞のネット(http://www.sankei.co.jp/kokusai/kokusai.htm)で、下記のニュースを見つけた。
「上海の市場に出回る揚子江デルタ周辺で栽培されるコメは有毒米」であるとすれば、
上海生活は、そう長く続けるべき場所ではないのかもしれない。

安全“輸入”する「食の国」

日本貿易振興機構(JETRO)がタスクチームを作って、中国の今後10年のリスクとそのインパクトをさまざまなデータを駆使して推測したところ、環境汚染による危機が最も可能性が高く、その影響は計り知れないという結論になった。  

「中国−21のリスク」(ユーラシア・グループ編著)によると、環境危機というのは水不足、大気、水質、土壌汚染などを指しており、具体的には工場から有毒物質が流れ出し、風下や川下の数百万人に被害が生じるといった危機のことだ。  この中で土壌汚染はいま、話題の中国食品の安全問題に直結するものだが、中国科学院によると、工場廃水に含まれる重金属に汚染された耕地は2000万ヘクタールにも及び、これは中国の耕地総面積の何と5分の1にもなっている。さらに農薬の使いすぎによってほぼ回復不能な耕地は1300万ヘクタールから1600万ヘクタールにもなっている。  これは「食の国・中国」にとってまさに死活問題だ。例えば上海の市場に出回る揚子江デルタ周辺で栽培されるコメは「有毒米」という異名をもらってしまった。理由は国際基準の15倍に達するカドミウムが検出されたからだ。  まだ、ある。日系食品検査会社が上海周辺で取れる野菜の残留農薬検査を無作為抽出で行ったところ、最低でも日本の基準の6倍に達していた。  もちろん残留農薬野菜を食べてすぐ体調を崩すわけではないので、即座に危機的状況にあるのではないが、1980年代後半には上海周辺の農家が農薬の使用方法を知らず、1000倍に薄めなければならないところをそのまま使用して300人以上が死亡する事故が起きている。  それ以降、上海市の住民は残留農薬を薄めるために野菜を水に30分から1時間漬けることが"常識"になっている。だが、最近になってそれでは効果がないとの意見が出され、市民の間にとまどいが生じている。  
地元テレビが2時間説を唱え始めたほか、高級ホテルの料理場から「長時間水に漬けておくと農薬がむしろ野菜のしんにまで浸透する心配がある」との見方が出され始めたからだ。  いずれにせよ残留農薬や重金属から中国の食材を守る決定的な方法がないことが問題なのだ。  

こうしてみると、日本産米の中国向け輸出解禁とは、日本発の「安全の輸出」という文脈で理解した方が分かりやすいような気がする。今月26日に北京と上海で同時販売される安全米の値段は2キロで3000円前後と中国米の20倍にもなる。  これが高すぎるのか、それとも身の安全を考えればむしろ安いのか。  中国では日本向け野菜やコメはすでに外資系企業経営の農場で栽培されるようになっている。例えば中国東北3省で作られるアキタコマチは生産量が年間12万トンにもなっているが、うち2万トンが中国国内で消費されるようになっている。もちろん大都市の日本レストランなどで使われるものもあるだろうが、少々高くてもと購入する中国人家庭が確実に増えているのは確かだ。  野菜についても元日系商社員が始めた有機野菜の栽培が年々、人気を集め、高価なのに安全意識の高い家庭で受け入れられるようになっていることもそうした現状を裏付けている。  要は中国の「食の安全」が破綻(はたん)していることを住民は十分に承知している。そして「メード・イン・チャイナ」への不信感を強めているということではないか。 (2007/07/24 07:43)

73年ぶりに気温39.6度

暑い日が続く。
上海中心気象台によると、29日、上海では 73年来の最高となる39.6度の気温を記録したそうだ。