北京(1) 1995.10.5~10.9

さすが大中国の中心地。歴史と伝統の都市に感動。しかし、観光客としてではなく、別の視点から見ると、課題は山積している。

→ 北京(2) 2002.5
 
天安門広場

北京初心者

先週、北京から帰って来ました。去年の上海・杭州に続く2回目の中国への旅でしたが、今回は四泊五日と比較的ゆっくりできました。(行程は下段に記述)  
 
  夏さん(中国人留学生)の友人が休みをとり、ずっとつきっきりで案内してくれました。彼は、現在CITICと伊藤忠合弁のコンピューターソフト会社のシステムエンジニアで、吉林大学に勤めていた夏さんのお父さんの教え子だそうです。日本で3年間過ごしたことがあり、日本語も上手です。お蔭で二人でいろいろな場所を歩き回り、ツアー旅行にはないフリーの行動を満喫するとができました。
 
  北京の初心者としては、ベーシックな観光地は回ってきました。北京駅や王府井の雑踏、琉璃厰の文房四宝、天安門広場の広大さ(10月1日の国慶節には27万人の群集が集まったとのこと。ちなみに89年の天安門事件では50万人だったそうです)、故宮の格調の高さ、北海公園や頤和園ののどかさ、天壇公園の神秘さ、そして万里の長城の雄大さ・・・・。また坊膳の宮廷料理(象の鼻というわけの分からないメニューがありました)、全聚徳の北京ダック、東来順のしゃぶしゃぶなども楽しみました。

故宮内
北海公園・坊膳 九龍壁
頤和園 頤和園

  一方、21世紀に向けて経済発展する中国も実感しました。何本もの大型クレーンが林立し、高級ホテルやアパートがいたるところで建設されています。片道4車線の環状線ではたくさんの乗用車や面包車という小型タクシー(黄色のマイクロバス、10キロ10元と安い)が疾走しています。ホテルのロビーは、欧米や日本にいるかと思うほどです。北京空港は各国の航空機が所狭しとステイしています。
 
老北京人

 朝早く、建国門外にあるホテルの周辺を一人で歩いてみました。リヤカーに練炭や大きな袋を積んでゆっくりと運んで行く自転車、公園で太極拳をする人たち、朝食の準備か、野菜や肉を並べた露店、ここには、老北京人たちの普段の生活があります。 
 
重労働 出勤風景

国家の野望と国民の欲望

 悠久の歴史と経済発展が渾然一体となり、中国はいま、国家の野望と国民の欲望が蠢いています。インフラの未整備、法観念の欠如(次第に整備されつつありますが)、人口問題に伴う食糧問題やエネルギーの問題、インフレ、共産党一党独裁と庶民の民主化要求、沿岸地区と内陸部の経済格差、国有企業の赤字と潜在的な大量の失業者、江沢民体制の政治的安定、香港返還後(天安門広場横の歴史博物館の玄関には、香港返還まであと何日というカウントダウンの数字が点滅しています)と台湾問題・・・。社会主義市場経済という一見矛盾した錦の御旗のもと、平和な観光旅行のなかに、中国の将来を左右する多くの課題が隠れていることを改めて思いおこしました。


悠久の歴史に思いを馳せる

また、都心部に建設中の多くの高層ビルや満員のバス、日本語で話し掛ける友誼商店の販売員、繁華街を歩く外国人などを見ていると、20年前ほど前の台北によく似ているという印象を受けました。つまり政治的安定があれば間違いなく国民の生活は豊かになっていくだろうとも思いました。

今回の「龍の国・中国」への旅をきっかけに、次回機会があれば、返還前の香港と東南アジア進出が進む台湾に行ってみたいと考えています。「三つの中国」がそれぞれの危うさを抱えながら、どのように変化して行くのか、歴史のひとつの転換点を自分の目と足で体感したいと思います。(完)

天壇公園

行程

1日目 15:55福岡空港発(中国国際航空、CA914便)→17:50北京空港着(現地時間、時差1時間)→19:30建国門外大街凱菜大酒店(GLORIA PLAZA)着

2日目  7:30ホテル発→北京駅→(地下鉄)→前門→天安門広場→故宮博物院(紫禁城)→景山公園→北海公園→坊膳餐廰(昼食)→九龍壁→琉璃厰→全聚徳→20:30ホテル着

3日目  7:15ホテル発→万里の長城→明の十三陵→白雲観→東来順→20:00ホテル着

4日目  9:00ホテル発→頤和園→天壇公園→前門→16:30ホテル着

The trip to China
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