One writer,One work

電車内で携帯電話に夢中な若者、小さな書店の閉鎖と出版社の倒産、1万冊を超えればベストセラー、図書館利用者の増加などの状況を見ていると、音楽CD同様、本も売れない時代になったと感じる。活字離れによって、歴史、時事、宗教・哲学、伝記、小説等から得られる多様な情報や深い思索が希薄になっていく。大切なことは読書による思索結果のアウトプット、行動。

乱読気味の自分も最近、ベストセラーは所詮一過性のもので時間つぶしの娯楽に過ぎないように思えてきた。Book Reviewと銘打って簡単な読書メモを書き始めたが、新しい本は次々と出版され、きりがない。

そこで、1作家1作品計100冊をめどに新刊書を読んだ後は、新刊書を減らし、東洋思想、古典、歴史書、伝記など精読できる本に徐々に移行・収束しようと考えている。

「つまらぬ本を百冊読むより、一冊の優れた本を百回読むほうが、はるかにためになる」(アラン)

昔の偉人は、読書によって心を鍛えた。要は良書を通して感動し、考え、行動すること。そして「文字で心を洗い、心のノミで顔を刻む(小島直記)」こと。

「書を読みて聖賢を見ざれば、鉛渠(えんざん)の傭たり。(書物を読んでも聖人賢者の心に出合うことがなければ、それは単なる文字の奴隷である」(菜根譚)